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   ◆事業報告(平成18年度)

1. 事業概況
 平成18年度の経済環境は中国を始めとした世界経済の大幅な伸びにともない、石油価格の急上昇
や、鉄鋼をはじめとする原材料の不足など厳しい課題に次々と直面したが、建設機械、造船、航空機
等重圧長大産業が好調に推移、また自動車業界の堅調な伸びに支えられて、工作機械、ロボット、建
設機械などの業種が好調に推移しました。その結果、景気のけん引役である国内民間設備投資も拡
大し、政府は平成18年11月の月例経済報告で、いざなぎ景気を超える戦後最長の景気回復を宣言し
ました。
 また、我が国の雇用就業者数も前年比で65万人増加し、日本経済全体の景気は回復基調で推移し
た。
 そのような中で、歯車関連業界の動向を見ると、生産高は前年比で8.7%の上昇となり、過去最高の
生産高となった。これは前述のとおりのマイナス要因はあったものの、自動車業界を中心とする産業の
堅調な伸びに支えられた主需要先の一般機械、土木建設機械・トラクター、運搬機械・産業用ロボット
金属工作機械の業種が好況であったことによる。
 また外需については大幅な変動はないものの着実な伸びをしており、需要先が米国から中国を筆頭
としたアジアへ移る傾向が現れている。

2. 平成18年度の歯車・歯車装置の生産高及び輸出入高
<生産高>
 平成18年暦年の実績は歯車単体で、対前年比27.1%増の980億円、歯車装置で、対前年比2.2%増
の2,254億円、合計で対前年比8.7%増の3,234億円と前年実績を上回った。これは平成9年のピーク
の2,897億円を大きく上回る生産高であった。
 一方生産重量面では歯車・歯車装置の合計で264千トンと対前年比4.8%増となった。またトン当たり
の単価は対前年比3.7%増の122万円。平成9年と比較すると15%(16万円)上昇し、原材料の値上げ、
高付加価値製品への移行等、需要先の動向の変化が現れてきた感がある。
<輸出>
 平成18暦年の実績は歯車単体で対前年比2.6%増の960億円、変速機は4.5%減の415億円、合計
で±0%増1,374億円と前年同額であった。これは輸出全体の34%を占める米国向が11%減となったも
のの、中国・インドネシア・英国等の増加が大きな要因である。
<輸入>
 平成18年実績は歯車で対前年比20.3%増の335億円、歯車装置で10.2%増の8億、合計で20.0%増
の344億円で7年連続前年実績を上回っている。これは輸入全体の16.3%を占める米国からが2.5%減
となったが、中国を始めとするアジア圏とドイツからの増加が大きな要因となっている。

3. 工業会が平成18年度に実施した主な事業
 3.1 規格化、標準化活動
3.1.1 歯車工業会団体規格(JGMA)の改訂・制定
 歯車規格委員会(委員長:林輝 東工大名誉教授)が中心となり、ISO・JIS・JGMA規格それぞ
れの関連を考慮し、発行済みJGMA規格「歯車強度計算式」の2規格を最新情報を基に統合見直
しし、作業者・現場向けに使い易い規格にするための作業を行った。
 平成18年度に完了予定であったが、主審議は終了したものの製本が次年度へ持ち越となった。
また新たに「歯車強さ計算式」2規格の統合見直し作業に取り組み始めた。
3.1.2 歯車測定機の校正に関する標準化

「歯車測定機の校正原器並びにその原器に基づく校正方法の研究」

 歯車の測定については、高精度の歯車測定機が開発されているが、その測定結果については
国家標準にトレーサブルでなく、保証体制が整っていない。しかし、ドイツ並びに米国においては、
それぞれに国内認証機関がありトレーサブル体制を整えている。そこで日本国内でも歯車測定機
の校正がさらに高い精度でできる方法を目指し経済産業省の委託事業として(独)産業技術総合
研究所が基となり歯車工業会も参画し、平成14年から3年間研究を進めてきた。その結果「歯形」
の測定についてはトレーサブルである原器での高精度な校正方法が確立でき、JIS規格として制
定されることとなった。またドイツ・イギリス・米国・フランスにおいても高い評価を受け、その一部
は、ISO/TRに取り入れられ、近い将来、ISO規格採用にむけ、提案される予定である。
 歯車歯面形状精度のトレーサブルな測定について、前記のように「歯形」校正に関し良い成果が
得られたため、引き続き歯車測定機評価方法研究委員会(委員長:久保愛三 京都大学教授)に
より「歯すじ」についてトレーサブルな校正方法の研究を進め、理論的見地より見いだされた「歯す
じ校正用アーティファクト(原器)」を作成し、測定機上での試験を繰り返し行った。この結果から更
に使い易さと「歯形」「歯すじ」双方共に同時校正が可能な改良型アーティファクトを考案し制作中
である。
3.1.3 国際標準化「ISO/TC60(歯車)国際規格」への対応
 歯車及び歯車装置関係の国際規格の制・改定にあたって、当歯車工業会が日本を代表する唯
一の機関として、経済産業省産業技術環境局より国際規格原案の調査作成委託を受けISO/JIS
審議委員会(委員長:久保愛三 京都大学教授)が中心となり、大学教授・学識経験者、業界の
委員を国際会議に派遣し、日本の意見を反映させ国益を損なうことのない国際規格の作成、改訂
に参画してきた。また国際規格制・改訂を進めるための段階的審議「CD/DIS」投票、定期見直し
等各種投票へも積極的に参加し日本の意見を反映し、また国際協調に努めてきた。
 また、風力発電用増速装置の国際規格作成審議が、IEC(国際電気標準会議)とISO(国際標準
化機構)との協同部会で開催され、昨年6月には日本で国際会議が開催され9ヶ国24名(内日本6
名)、その他オブザーバーとして日本から12名が参加した。またその場を通じ風力発電のみなら
ず歯車関係有識者との親交を深め最新の情報交換等国際協調発展の場とした。
 3.2 事業基盤の整備、向上
3.2.1 戦略的基盤技術高度化支援事業への取組
 わが国の経済を牽引していく重要産業分野の競争力を支えているのは、我が国の中小企業が
主に担う基盤技術(鋳造、鍛造、プレス加工、めっき、切削、熱処理、レーザー加工、研削、研磨、
ねじ、歯車等)であり、これら“ものづくり”基盤技術を有する中小企業群の競争力の強化を図るこ
とにより、我が国製造業の国際競争力の維持・強化及び新たな事業の創出を図り、国民経済の
発展に結びつけようという国の事業(サポートインダストリー)で我が歯車業界の「電力伝達技術」
についても支援対象とされた。動力伝動業業界から積極的に参画のため、コンソーシアム編成に
向けた支援活動を進めた。「動力伝動技術」として全国から10件、内会員企業5社が新技術研究
開発の公募に応じたが、採択は1件であり、会員企業は選から漏れてしまった。
3.3 グローバル視野での活動
3.3.1 海外視察の実施
3.3.1.1 米国視察
 国際的な提携協力関係が進む昨今、経営資源として広い視野と見識を兼ね備えた人材の確保
並びに育成に欠かすことができない海外の業界の動向を見聞するため、昨年9月6日から13日間
米国シカゴで開催の展示会「IMTS2006」の見学と歯車関連工場「HOREST CITY GEAR CO.社、
Excel Gear, Inc.社、C-B Gear & Machine, Inc.社、Philadelphia Gear Corp. Houston Division社」
の視察を13名の参加で実施し、米国歯車関連産業の現状を把握し今後の経営資産とすることが
できた。報告書を別途作成配布した。
3.3.1.2 アジア諸国視察
 近年発展著しい中国をはじめとするアジア諸国の内特に歯車関連産業の発展が著しいと言わ
れる、台湾歯車産業の現状視察を10月11日から13日の間24名の参加で実施した。視察先は「和
大工業股份有限公司、青志金属工業股份有限公司、勤美股份有限公司、上和齒輪股份有限公
司」4社で、台湾歯車関連業界を把握し今後の業界の発展と企業経営強化を図る事ができた。報
告書を別途作成配布した。
3.3.2 国際協調「第9回歯車サミットの日本開催」
 本事業は幹事国ドイツの都合から次年度のドイツ開催と変更されたため今年度中止となった。
 3.4 経営力強化、人材の育成
3.4.1 歯車工業の経営合理化に関する研究並びに調査
3.4.1.1 優良企業の見学会実施並びに各種改善活動事例の研修会実施
 東日本・中日本・西日本各地区持ち回りにて優良企業の見学会を実施し、改善活動、原価低減
活動、人材開発・人材教育等の実績について研修会を開催した。
   第1回 平成18年09月26日 豊精密工業鞄進工場殿にて36名の参加で実施。
   第2回 平成19年03月02日 大阪精密機械鞄aにて36名の参加で実施。
 不良低減活動の実践と改善事例、また次世代を担う人材づくり。人の評価方法、新技術への取
組等々について研修・講演を行った。
3.4.1.2 経営管理に関する講演会の実施
 平成19年02月、西日本支部主催の、愛知工業大学経営情報科学部教授の岡崎浩殿による演
題「内部統制が日本を救う」最近のコーポレート・ガバナンスの事例、コーポレート・ガバナンスの
問題から教訓、についての講演会を24名の参加で実施した。
3.4.2 技術伝承事業の実施並びに調査の継続実施
 高度な技術を要する歯車製造に対して、現在の切迫した経営の中、人の雇用、技術の伝承が
希薄となっている。さらには高齢化と後継者問題でその伝承が難しくなり、また第三国への技術流
出とじりじりと危機感が増している。その対策として西日本支部が中心となり、初歩的な技術指導
技術伝承の場を設け教育を47名の参加で実施した。
3.4.3 技術関連研修会
 中堅技術者の教育訓練を目的に、調査研究を基に目的に添った演題を、大学教授・業界の第
一線技術者より講師を選定。第1回を平成18年06月に開催し88名の参加。
 また第2回は11月に機会学会との協賛で「歯車技術基礎講座」を開催し89名の参加があった。
 3.5 工業会事務局活動の充実
3.5.1 本部との各支部間の連携の迅速化
3.5.1.1 ビデオ会議システムの導入
 工業会事務局本部と各支部との間にネット接続したビデオ会議システムを導入し、工業会活動
を活発化且つ迅速化を図った。
3.5.1.2 ホームページの活用強化
 工業会ホームページの英語版立ち上げにより情報の公開が拡大したことから、会員企業におい
ても海外からのアクセスに対応可能な体制作りを進め、国内外からのアクセス増加に伴うビジネ
ス拡大への展開を図った。
3.5.2 歯車工業会会員企業における生産統計の充実
 企業会員における歯車関連製品の西安動向並びに需要先別調査を行い、歯車業界における
動向を把握し、データ解析のうえ企業経営の一助として情報を提供した。
3.5.3 機関誌の継続刊行
 情報提供並びに会員相互の情報交換として機関誌「JGMA News」を3回刊行した。
 3.6 その他
3.6.1 JIMTOF2006(第23回日本国際工作機械見本市)の協賛
期間      : 平成18年11月1日(水)〜8日(水)8日間
開催場所: 東京ビックサイト「有明・東京国際展示場」
出展者   : 239社・団体 出展規模 5,125小間
 歯車工業会会員から17社が出展(内歯車工業会経由で8社出展)し、新技術並びに新製品の紹
介を行うと共に産業界全般の発展に寄与した。
3.6.2 支部活動の強化
 歯車工業会各支部活動並びに各地域で活躍する懇話会等の活動に、身近な活動として参加し
ていただき情報交換と協調関係を構築し地域並びに業界全体の活性化につなげるための支部活
動を行った。
3.6.3 団体PL保険制度の増強
 製造物賠償グループ保険とし「団体PL保険制度」を運営し、製品の欠陥により他人の身体に障
害を負わせたり、他人の財物に危害を加えた場合に保険金が支払われる従来の制度に追加して
生産物自体の損害、損害物の運搬費用、訴訟等の臨時費用までカバーできる制度も取り入れ
た。今年度は27社が加入。
3.6.4 団体生命保険(日本歯車工業会グループ保険制度)の促進
 歯車・動力原動機製造業を対象として福利厚生制度や従業員の家族の生活保障を目的として
歯車工業会グループを結成し、割安な掛け金で必要な保障が得られる制度として定着しつつある
が、制度の継続と規模メリットを出すため、さらに多くに参加していただくように活動を進めた。
今年度は21社が加入。
3.6.5 公益社団法人認定への対応
 公益法人制度改革が制定され、平成20年度に本格施行される。本会の公益社団法人への移行
に向け、情報収集に努めた。
 

 

《H18一般会計収支決算報告》

 《H19事業計画》  《歯車装置の生産統計》